はじめに
今回は以前ブレーキパッドを交換したマッハ2のフロントのホイールベアリングを交換していこうと思います!
素人作業なので本来の交換方法とは異なり、完全自己責任作業となります(笑)
なぜホイールベアリングを交換するのか⁉
元々、車両自体がだいぶ昔のものですのでほとんどのパーツが初期の物だと思ったのと
以前から車重は軽いはずなのに取り回しがあまり楽に感じなかったのでタイヤの空気圧やチェーン等変えてみたのですが
全然改善しなかったので、回転部に影響してるベアリングを交換しようと思い立ったからです!
ベアリングを新品にすることで動きがスムーズになり回転抵抗が減るので、燃費の改善と取り回しやすさが上がると思います。
ベアリングの規格
主にバイクで使用しているベアリングは【深溝玉軸】と言うベアリングです
ベアリングはサイズや耐荷重などが規格化されている物ですので、バイク専用のベアリングを使っている訳ではありませんので基本的に大丈夫です。
ベアリング本体に書いてある6032などの数字はどのメーカーでも共通なのでその番号が解ればベアリングの寸法が解ります
今回使用するNTNのベアリング規格で説明しますと、6032 LLU CN/5Kと書かれているとします
最初の数字がベアリング寸法
LLUはシールの呼び名です、種類はZZ・LLB・LLU・LLH などがあります
シールがない場合は何も記載が無く、方側の場合表記がZ・LB・LU・LH となります
性能表
ZZの性能
- 摩擦トルク 小
- 防塵性 良好
- 防水性 不適
- 高速性 開放型(ノンシール)と同じ
- 許容温度範囲 潤滑剤による
LLBの性能
- 摩耗トルク 小
- 防塵性 ZZより良好
- 防水性 不適
- 高速性 開放型と同じ
- 許容温度範囲 -25℃~120℃
LLUの性能
- 摩耗トルク やや大
- 防塵性 最も良好
- 防水性 極めて良好
- 高速性 接触シールによる限界がある
- 許容温度範囲 -25℃~110℃
LLHの性能
- 摩耗トルク 中
- 防塵性 LLBより優れる
- 防水性 良好
- 高速性 LLUより優れる
- 許容温度範囲 -25℃~120℃
こんな感じの性能差があります、サーキットなどスピードを重視するなら摩耗トルクの少ない開放型ですね!
ですが普段使いをするのでツーリング中に雨など悪路を走ったりするかもなので私は防御力重視のLLUタイプにしました。
他メーカーのシールタイプの名称
金属シールのZZは各社共通です
ゴムシール非接触型
- NTN LLB
- NSK VV
- KOYO 2RU
ゴムシール接触型
- NTN LLU
- NSK DDU (DD)
- KOYO 2RS
ゴムシール低トルク型
- NTN LLH
- NSK —-
- KOYO 2RD
CN(すき間)適応例
ベアリング内部の隙間はC2<CM<CN<C3<C4の順で大きくなっていきます、記載が無い場合CN(標準)となります
内部すき間の大小は振動、騒音、発熱など軸受けの性能に大きく影響します
バイクで主に使われているのがC3が使われているようです
作業
最初の車体からフロントタイヤを外す画像が取れて無かったので最後の組付け時を参考にしてください^^;
早速タイヤが外れました!
今回の主役が画像中央のホイールベアリングです
本来、赤〇の場所にゴム製のダストシールがあるはずですが…
やはり古い車体なのでなくなってますね、という事は‼一回はベアリング交換した事あるのかな⁉
半世紀も前の車体だから交換されてて当然なんですけどせめてダストシールも交換しておいて欲しかった^^;
気を取りなおして作業の続きです
真ん中のインナーレースと言う場所が摺動するので指で動かしてみるとコリコリと動いて回りがスムーズでは無かったです
このベアリングの劣化がタイヤの回転を悪くしていたみたいです
クリップ外し
クリップが付いてるのでそれを外します、そこで登場するのがこの『スナップ・リングプライヤー』です!
専用の工具があると凄い楽ですが、先が細いノーズプライヤーでも外したりできます
友人は普通のノーズプライヤーの先端を削り、自作工具を使ったりしていました(笑)
サックっと外していきましょう‼
ベアリング取り外し
そしてベアリングを外すのに必要なのがこの『ベアリング・プーラー』と言う工具です!
見た目だとどう使うのか解りませんが、説明書や説明ムービーなどもあったので苦労せずに使えました
セットするとこんな感じに付きます!
後はボルトを回してベアリングを引き上げます
最初ベアリングが動き出すまで凄く硬く、バキっとボルトを折った感じにすごい音がして、そこからスムーズに引きあがってきました
※あまりにベアリングが固着しているとベアリングのインナーレースだけもぎ取れるので
そうなったら裏側からドライバー等を使って思いっきり叩いて力業で外すしかありません…
ベアリングを外すと画像の様に穴の中にカラーがいるのでそれも外して綺麗にしましょう
※組付け時にこのカラーを入れ忘れない様に
反対側も同じ要領でサクッと外していきます
外したベアリングがこんな感じです
ベアリングの保護をするシールが鉄でできていますね、しかも片側だけ
詳しい説明は【ベアリングの規格】の項目で説明があります。
反対側のベアリングはシールが無くむき出しでした、一応グリスで保護されてるのかな(笑)
交換するベアリングはNTNの6302LLUを今回使いたいと思います!
サーキット専用でもなく主に一般道でしか使わないので防塵性や防水性があるラバーシールタイプのベアリングにしてみました
最近では前後のホイールベアリングがこのラバータイプらしいのですが
少し前は前輪はラバータイプで後輪は鉄タイプの組み合わせがポピュラーだったそうな
ベアリング打ち込み
ここまでちゃんとした専用工具を使っていたのですが、ベアリングを打ち込む工具を買っていないので禁じ手のハンマーでベアリング叩き込みをします!
左側は装着位置が奥まっているのでさっき取り外したベアリングで叩くと一緒に二つともホイールにくっ付いてしまうので
アウターレースのサイズにあう少しだけ小さめの中古ベアリングを使いました
他に代用できるのがホームセンターなどで買える塩ビパイプです
サイズはベアリングのアウターレース(ベラリングの縁)に当たるサイズを買いましょう
復帰作業
ベアリングを溝にクリップがハマる(一番奥)まで入れたらクリップを付けたらこちら側はOKです!
※本来ダストシールも取り付けます
そしてこいつを忘れず装着して、ベアリングを打ち込んだのですが…
失敗事項
打ち込み過ぎて、インナーレースが指で回らないぐらい硬くロックしてしまいましたので…
※画像は作業初めの画像です
プーラーを使って少し引き上げたら改善しました!
ベアリングにだいぶ良くないと言われるインナーレースに負荷を掛けてしまいましたが、元々ハンマーを使って打ち込んでいるので
だいぶ正規のやり方では無いのと、これによりベアリングの使用感とか寿命が減るのか等も後にレビュー出来たらなと思っています。
画像だと解らないですがスルスル動くようになりました!
復帰作業再開
この銀色のお椀みたいなのを取り付けて、左側は準備OKです!
右側スピードメーター側はプラネジでカバーを取り付けして
このスピードセンサー?を取り付けるのですが
外した時グリスとゴミで汚れていたので綺麗にして
グリスアップして取り付けました!
使ったグリスはMPグリースと言うのを使いました、特に耐熱とか常に高負荷が掛かる所でもないので
ホームセンターで売っている『万能グリース』とか言う物で十分だと思います
お椀側からシャフトをぶっ刺します
先端が平たくなっているので、モンキーレンチ等で固定して
逆側を締めます
後はフロントフォークに合わせて黄〇のボルトを締めれば完成です!
この赤線部の隙間気になっていたのですが最近の車両はビタッと付いてたりしますが、従来の固定方法の車体だと隙間が空いてる車体がほとんどなので
あまり気にしないことにしました。
以上でフロントのホイールベアリング交換終了です
少しは参考になれれば幸いです!
使用部品
・ベアリング(NTN 6302LLU)
使用工具
- スナップリングプライヤー
- ベアリングプーラー
さいごに
今回ベアリングを交換してみて作業の時間的にはじっくりやって2時間ぐらいなので(リヤはチェーン調整等あるのでもう少しかかるかな)DIYにはピッタリな作業レベルでした!
以前ブレーキ鳴きがすると思いブレーキパッドを変えたりしてみましたが徐行時すぐにキーキー音が鳴りましたのでブレーキキャリパーが固着気味なのかなと思っていましたがホイールベアリングの寿命が原因で異音がしてたみたいです(笑)
何回か雨の日に走ってしまったので錆とかも原因ですかね、旧車を雨が降るような日に乗るなって怒られそうですが^^;
この350SS マッハ2もだいぶおじいちゃんなので細かいところをメンテしていかなければいけないので部品が解らない等お困りでしたら私の記事に画像があるのでそこの品番でも参考にしてください!
まだ作業数が少ないのであまり参考になりませんが(笑)
今回使ったベアリングのすき間がCNの物なのですが、主にC3規格の物がバイクに使われているみたいです、ですが探しても6302のサイズでC3が見当たらなかったのかサイズ的に無いのか解りませんがとりあえず壊れてるベアリングで走るよりはマシだろうと思いCNの物を買いました
試走では短距離なので何も異常が無いのでまた長距離ツーリングなどした際に性能を確認できればと思います。
それではよいバイクライフを♪
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